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低侵襲手術支援システムに関する研究 |
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内視鏡下手術を中心とする低侵襲手術により、直接手の届かない部位や直接目で見えない部位の手術が可能となる。
これにより、患者や医師の負担を低減することが可能となる。
また、遠隔手術により、チームワーク医療の実現、地域医療格差の是正、在宅医療が可能となる。
強調した力覚情報の帰還をはじめとする操作環境の伝送、多自由度屈曲多機能能動鉗子の開発などを行っている。
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深部脳神経外科手術支援用マイクロ・サージェリ・システムに関する研究 |
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本研究で開発システムは、脳の深部に存在する腫瘍の摘出や微細血管の縫合を可能とするシステムである。
構築したシステムでは屈曲可能な外径5mmの能動鉗子を2本有する。
スレーブ・マニピュレータは術者の操作するマスタ・マニピュレータから伝送される位置・角度情報によって動作する。
これまでに、ラットの頸動脈(直径1mm)の縫合、人体標本を用いた実験に成功している。
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(3) |
人工膝関節置換手術支援システムに関する研究 |
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人工膝関節置換術では埋め込む人工関節の位置・姿勢を正確にすること、
人工関節設置面の面粗さを小さくし、隣接する面間の角度の精度を上げること、
内外側副靭帯のバランスを適性にすることが肝要である。
このため、患者のCT画像やMRI画像などの医用画像を用いる術前計画システム、骨切除ロボットを中心とする術中支援システム、
歩行動作解析システムなどを用いる術後評価システムから成るシステムを構築している。
これまでに、モデルボーンを用いた実験、人体標本を用いた実験において良好な結果を得ている。
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(4) |
骨折整復手術支援システムに関する研究 |
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大腿骨骨折整復術では、牽引のための医師の体力的負担や、X線透視による被爆が問題である。
このような問題を解決するため、骨折整復支援ロボットシステムの開発を行っている。
開発中のシステムは患者のCT画像を用いた術前計画システムと、
アーム型X線装置や骨折整復ロボットなどによって構成される術中支援システムとから成る。
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(5) |
手の外科手術支援システムに関する研究 |
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手首の骨折のうち8割は舟状骨骨折であり、ワイヤによる仮固定とスクリューによる本固定によって治療される。
本研究では仮固定用ワイヤの刺入位置・姿勢精度の向上を目指し、ワイヤ刺入ガイドの自動位置決めシステムを開発している。
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(6) |
超音波遠隔医療診断システムに関する研究 |
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情報ネットワークを用いることによって、遠隔診断が可能となる。
本研究では、汎用性の高い超音波診断装置を用いた遠隔診断システムを開発している。
具体的には、透析肩を対象としたシステムを構築している。
超音波診断においては、超音波プローブを患者の適切な位置に適切な角度と押し付け力で押し付ける必要があるとともに、
診断中に患者に動作をさせる必要がある。
このため、ただ単に静止した超音波画像を送るだけでは不十分である。
そこで、双方向にマルチモーダルに情報を伝送するシステムを構築し、
特に、超音波プローブを把持するスレーブ・マニピュレータから医師の操作するマスタ・マニピュレータに
力帰還できるようなシステムとした。
さらに、診断のモードに応じた制御アルゴリズムを開発した。
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(7) |
医療情報統合型診断支援システムに関する研究 |
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本研究では,診断中に得られる各種医療情報を収集し,
医療行為を認識することにより,診断状況に応じて適切な支援を選択することが可能な
医療情報統合型診断支援システムに関する研究を行なっている.
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(8) |
超精密光計測に関する研究 |
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波長走査Fizeau干渉計を用いて、透明で両面が平行な複数の層からなる試料の、
各界面の形状や各層の厚さ分布を、精度良く計測可能な解析手法を構築した、
この手法を応用すれば、研磨中の光学素子の形状計測が可能になり、より高精度な光学素子の製作が可能となる.
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(9) |
超精密位置決めシステムに関する研究 |
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数mmの移動範囲全域に渡り、高い分解能と高い直進性を有する位置決めシステムの開発を行っている。
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(10) |
ガラスの微細加工に関する研究 |
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脆性材料の切削加工において、切り込み深さを十分小さくすれば、延性モード切削が可能であることが知られている。
しかし、通常の切削方法では臨界切り込み深さはサブミクロン程度である。
そこで、本研究では微細切削効率の向上を目指し、臨界切り込み深さを増大させるために、
ねじり振動切削加工法や圧縮応力を加える切削加工法の開発を行っている。
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(11) |
UVレーザ加工システムに関する研究 |
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UVレーザによる微細加工では、形状の制御が困難であること、脆性材料ではクラックが発生することが問題であり、
任意の微細形状を精度よく加工することは困難である。
本研究では、ガラスなどの脆性材料を対象に、
UVレーザの微細加工機構の解明と新たな加工法の開発の両方の観点から上記問題の解決に取り組んでいる。
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(12) |
ウォータージェット加工システムに関する研究 |
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ウォータージェット加工は水の圧力を利用して砥粒を工作物に照射して形状創成を行う加工法である。
従来、この加工法に適用可能な砥粒は高々#400程度であった。
これに対して、微細な砥粒得尾導入する方法を開発した。
この方法を用いて人工股関節骨頭の超精密仕上げや、
ガラスのような脆性材料の微細加工をおこなっている。
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高速工作機械の熱変形能動補償に関する研究 |
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工作機械の熱変形は大きな問題であり、これを能動的に補償する研究を行っている。
高速工作機械の構造体の変形量を、独自に開発した変形センサで測定し、
その情報を用いて工具端での熱変位を推測する。
次に、構造体の熱変形を能動的に発生させる熱アクチュエータによって
工具端での熱変位の補償を能動的に行う。
特に、実加工中の熱変形を低減させるシステムの構築を行っている。
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